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執筆者の写真市川まみ

客船寄港歓送迎イベントの経済効果について

更新日:3月20日

2023年06月28日

一般質問Vol.1

1.客船寄港歓送迎イベントの経済効果について

2.消防団員向けの火災発生連絡について

3.行政から始める業務効率化と働き方改革について



1.客船寄港歓送迎イベントの経済効果について

 今年4月17日と5月5日に外国クルーズ客船スターブリーズが田子の浦港に寄港し、アメリカからの約600人のサイクリング愛好者の来訪に対し、歓送迎イベントが開かれました。

 定住人口1人と80人の日帰り旅行者は同等の経済効果と言われており、今回の寄港は、7人から8人の定住人口を呼び込んだことと同等の経済効果が期待されますが、この寄港に当たっては、公費支出のほかに、消防音楽隊の演奏や多くの市職員の労力も注がれており、それに見合った成果が見られたのか、今後のために検証が必要と考え、以下、質問いたします。

(1) 港以外へ足を運んでもらうための仕掛けや、サイクリング経路への誘導などをどのように行ったのか。

(2) スターブリーズ歓送迎イベント等に当初予算で292万5000円が計上されているが、市民にとって、その金額に見合った経済効果があったと言えるか。

(3) 今回の寄港を契機として、今後どのようなアプローチをしていくか。


動画00.00〜13.00/27.05〜35.10


市長(小長井義正 君) 市川議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、客船寄港歓送迎イベントの経済効果についてのうち、(1)港以外へ足を運んでもらうための仕掛けやサイクリング経路の誘導などをどのように行ったのかについてでありますが、客船の歓迎につきましては、乗客や船主の満足度を高めるとともに、市民の皆様も楽しんでいただくよう開催し、地域への経済効果の拡大や、継続した寄港等につなげることが重要であります。このため、田子の浦港におきましては、本市のほか、国、県、商工団体、港湾関係者で構成する田子の浦港客船誘致委員会が主体となり、それぞれが連携して歓送迎イベント等を実施しております。

 今回、田子の浦港に寄港した外国クルーズ船スターブリーズは、アメリカの自転車メーカー、サンタナサイクルのチャータークルーズであり、乗客の多くはサイクリストでありました。このため、昨年10月にツアーの関係者が下見に訪れた際には、サイクリングで訪れやすい市内飲食店のほか、田子の浦みなと公園などの富士山眺望スポットなどを案内いたしました。また、寄港した当日は、坂道などでも誰もが気軽に乗れる電動式レンタサイクルを用意したほか、本市を拠点にしているプロサイクリングチーム、レバンテフジ静岡の御協力により、自転車のメンテナンスブースを設置いたしました。さらに、埠頭内に設置した観光案内所において、通訳の配置や観光案内パンフレットの配架を行ったほか、県タクシー協会富士・富士宮支部に御協力いただき、自転車以外で観光する乗客に対応できるようにいたしました。

 サイクリング経路の誘導につきましては、乗客の皆様が安全に自転車を利用でき、市内観光にもつながるよう、事前に様々なサイクリングルートを主催者へ情報提供したほか、当日は常葉大学の学生が作成したサイクリングルートマップの配架やルート案内等を行っております。


 次に、(2)スターブリーズ歓送迎イベント等に支出した予算は、市民にとって金額に見合った経済効果があったと言えるかについてでありますが、本市では、客船誘致委員会が実施する歓送迎イベント事業に対し負担金を支出しております。

 本年度の予算は、今回2回寄港した外国クルーズ船と、10月に富士信用金庫がチャーターするにっぽん丸の3回分で、客船誘致委員会では、今回の寄港に伴い、土産物店等のテナント設営や駐車場警備のほか、乗客等への土産として作成した田子の浦港オリジナル手ぬぐいタオル等の経費として255万円余を支出しております。

 客船寄港時の経済効果につきましては、乗客やクルーが市内でショッピングや食事等を行ったことによる消費のほか、客船寄港に伴う水先案内料やタグボートの使用料等が考えられます。このうち乗客やクルーの消費については、2回の寄港によって約1000人の外国人の方が本市を訪れ、この寄港に伴い、埠頭内に開設したブースで富士山関連グッズやお茶等を数多く購入いただきました。また、乗客の皆様がサイクリングの途中に立ち寄ったコンビニエンスストアで飲料水等を購入したほか、客船の船長をはじめ乗客や客船見学者などが訪れた田子の浦港漁協食堂では長蛇の列ができ、2日間合計の利用者は1524人と伺っております。さらに、寄港経費として、クルーズ主催者等から市内の船舶代理店や港湾事業者に約160万円が支払われるなど、今回の寄港では一定の経済効果があったと認識しております。

 加えて、今回の寄港は多くのメディアに取り上げられたほか、客船見学に訪れた市民の皆様等が動画を投稿し、合計1万人以上が視聴していることを把握しており、経済効果だけでなく、田子の浦港の知名度向上やシティプロモーションにもつながったと考えております。


 次に、(3)今回の寄港を契機として、今後どのようなアプローチをしていくかについてでありますが、今回の寄港は一定の経済効果等がありましたが、その一方で、より多くの市民の皆様等に経済効果を拡大させることや、より満足度の高い歓送迎事業にするには改善すべき課題も確認できたと考えております。具体的に、今回は乗客が主にサイクリストであったことから、サイクリングの途中で店舗等に立ち寄るなど市内での消費行動が見られ、自転車の活用を推進している本市に合った効果的な寄港でありましたので、このようなツアー客船をいかにして誘致していくかが課題と考えております。

 また、今回の寄港が外国客船であったことなどから、乗客の詳細な行動予定を寄港するまで把握できませんでしたが、経済効果をより拡大させるためには、多くの乗客が、田子の浦港周辺の施設をはじめ市内の魅力あるスポットに足を運んでいただくことが重要であります。このため、ツアー代理店等への効果的な情報提供や人脈の形成のほか、より多くの方が客船寄港による効果を享受できる連携体制の強化が必要と考えております。

 また、埠頭内の歓送迎イベントでは、今回、商店街等の皆様による太鼓演奏や高校生の書道パフォーマンスなど、市民の皆様にも御協力をいただきおもてなしを行いましたが、市民や商業者など、より多くの方が歓送迎イベントに関わっていただける仕掛けづくりも課題であると認識しております。このため、客船寄港に伴う歓送迎がより魅力的なものとなるよう、港湾関係者だけでなく、市民の皆様にも企画段階から加わっていただくことも重要ではないかと考えており、今後、客船誘致委員会において、今回の事業を検証し、次回の寄港につなげてまいります。

 客船の寄港は、地域経済の活性化や田子の浦港の知名度向上など多くの効果が期待できますので、関係者のみならず市民の皆様等とも連携し、本市への経済効果をもたらす客船がより多く田子の浦港に寄港するよう取り組んでまいります。


◆3番(市川真未 議員) 市長から御丁寧に御答弁いただきましたが、まず、1の客船寄港歓送迎イベントの経済効果についてからお話しさせていただきます。 

 田子の浦港が開港して62年、今回、外国客船が寄港は初めてのことで、いろいろと手探りだったと思います。その中でいろいろな取組をしていただいたことは了承しました。この寄港は、経済効果だけではなく、知名度向上やシティプロモーションにもつながったと考えます。 

 そこで質問です。(1)港以外へ足を運んでもらうための仕掛けやサイクリング経路への誘導などをどのように行ったのかについて、市長答弁にありましたサイクリングルートマップは、当然英語版、そしてそのウェブ版を御用意いただけましたでしょうか、お願いします。


◎産業交流部長(簑木真一 君) サイクリング経路の誘導ということで、市長答弁にありましたように、様々なサイクリングルートを主催者へ情報提供しましたが、それが英語版だったかどうかということでございますけれども、すみません、外国客船が来ることを予定していなかったところもあったものですから、これについては日本語版を御提供させていただきました。 以上です。


◆3番(市川真未 議員) 今回はアメリカからの客船だったということで、今後、これからの仕掛けとして、そういったものをぜひ用意していただければと思います。 

 あと加えて、事前に様々なサイクリングルートを主催者に情報提供されたということでしたが、こちらは、例えばどういったところに向かわれることが多かったでしょうか。


◎産業交流部長(簑木真一 君) こちらも市長答弁にもございましたが、寄港するお客様がサイクリストと聞いていましたので、昨年10月にツアーの関係者の方々が事前に下見に来られたときには、港近くの田子の浦みなと公園、それから漁協食堂、あと、しらす街道といったところを御案内させていただきました。それから、やはり富士山のビュースポットということで、遠いところでは大淵の笹場、それから中央公園とか、岩本山公園といったところを御案内させていただきました。ただ、当日は、どちらの方面に行くかという情報が入ってこなかったのですが、実際にサイクリストの皆様方が目的地として向かったのは、ほとんどが沼津方面に向かったと伺っております。 以上です。


◆3番(市川真未 議員) 今回、結局、沼津方面が多かったということですが、先ほど、田子の浦港客船誘致委員会は、国、県、商工団体、湾岸関係者などで構成されているということなので、例えば、沼津はないのかもしれないんですけれども、清水だと客船誘致委員会があると聞いていますので、横の連携ができればお互いに相乗効果を生むことができて、今度は清水港に来た場合も、こちらの田子の浦港に来ていただけるような仕掛けができるのではないかと思います。

 そこで、近郊の清水港に年間どのくらいの客船が寄港し、どのくらいの経済効果があるのか、御存じでしたら教えてください


◎産業交流部長(簑木真一 君) 清水港も客船誘致委員会がございまして、これはかなり歴史が古いです。私どもは平成29年度に設立したんですけれども、清水港は本当に何十年前にできたということで、海外にも営業に行かれていると伺っています。今、確実な数字は覚えていないんですけれども、コロナ禍前で、たしか客船が年間30隻ほど来ていたというふうに記憶してございます。経済効果もそれなりに――客船が寄港しますと、国土交通省の資料ですと1人当たり3万円から4万円という数字も出ていまして、かなりの方々が来ていますので、相当の経済効果があったと記憶しています。 以上です。


◆3番(市川真未 議員) 逆に、清水港から富士市に、例えば観光バスが訪れるルートもあると聞いているので、富士市もそれだけ魅力があると思います。

 お互いに横で連携をしていけば、もっとお互いに相乗効果を生めると思うので、ぜひこれから仕掛けていっていただければと思います。 


 次の質問ですが、スターブリーズ歓送迎イベント等に当初予算で292万5000円が計上されているが、市民にとってその金額に見合った経済効果があったと言えるか。

 例えば市長答弁にありました田子の浦港漁協食堂に2日間で1524人ほど訪れたということでしたが、こちらの食堂は週末、常に県外からの観光客でとても混んでいる印象です。

 むしろそこに案内するというよりも、近郊のしらす街道にもっと誘導していけば、見込み客を分散させ、より多くの商店ににぎわいを生むことができたと思います。 

 あと、こちらのしらす街道については、外国人観光客だったということで、ウェブで例えばfujicity sightseeingと検索すると、まず富士宮の観光が目立ちます。

 英語でこういったしらす街道のことを詳細に調べることがちょっとできなかったので、この辺りも英語のウェブサイトだと観光客の方が事前に確認することができるので、こういった部分を併せて拡充していただければと思います。 


 次、(3)今回の寄港を契機として、今後どのようなアプローチをしていくか。市長答弁にツアー代理店等への効果的な情報共有とありましたが、こちらの田子の浦港は小型客船しか入れない、入江が狭い港になっていると思うので、そこをあえて逆手に取って、小型客船に特化した観光モデルを事前につくれば、旅行会社のほうもとても楽で、受け入れやすくなると思います。

 これから、まず日本のクルーズ船3隻の予定がありまして、そのうち、まず10月ににっぽん丸が来ると思います。もう一つの船も大体同じぐらいの規模と聞いています。

 なので、まずはその2隻と、あと海外だと、そのぐらいの規模だと大体ラグジュアリークラスになると思うので、逆にお客さんは、観光客という意味ではすごく絞られると思うんですよね。そうするとこちらからも仕掛けやすいと思うので、事前にそういったペルソナを用意して、その上でパッケージをつくっていく、そんなアプローチを私は期待したいと思っています。 

 あと、市長答弁に、より多くの方が歓送迎イベントに関わっていただける仕組みとありましたが、それは一体誰に向けて、何のためのイベントの仕組みになるんでしょうか。そもそも歓送迎イベントをやる必要があるのでしょうか。確かに乗客はその歓迎ぶりに一時的に感動するかもしれません。でも、それよりも、寄港した乗客が市内各所へ観光に訪れるほうが、私は効果的だと思います。

 また、今回、市役所の職員の方とかの労力も使われていますけれども、正直、このイベントを本来するべきだったのかなという疑問を私は感じています。

 まずこちら、顧客満足度が上がれば観光港として伸び代はあると思うので、これからもっともっと検証して仕掛けていただければと思います。

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